結婚式を終えて。3/3

結婚式を終えて。3/3

 

 

 

③結婚式当日の出来事

 


この日1番緊張していたのは、新郎新婦ではなく、新婦の父だった。私は元よりあまり緊張しないタイプで、妻は本来死ぬほど緊張するタイプなのだが、「延期した時に既に1度結婚式をしたような感覚になってて、今回は2回目の結婚式って感覚だから全然余裕」ということだった。そう言いながら絶対本番ガチガチなるタイプだと思ってたが、本当に緊張することなく1日を終えていて驚いた。

一方、新婦の父(つまり義父)は自宅で何回もバージンロードを歩く練習をしていたにも関わらず当日ガチガチになっていた為、新婦が笑いながら入場する珍しい式になった。

 


結婚式は自己満になることが多いと聞いていたので、ゲストに快適な1日を送って欲しいという願いから色々と工夫を凝らした。

その中からいくつか話したい。これこそ自己満だが、今後式を挙げる人の参考にもなれば幸いだ。

まず、式場のアクセスである。披露宴ではアルコールを飲みたい人がほとんどだろうから電車で来れる場所、尚且つ、女性だと慣れない靴を履いてくる場合が多いと思い、駅から近いを前提条件として式場を探した。

次に、仕事関係の人を一切呼ばなかったことだ。これにより親族を除いた最年長が自分となり、誰も目上の人がいない為に全員が気兼ねなく楽しめる披露宴となった。これは自分で想像していた以上に良い方向にはたらき、非常にアットホームな雰囲気になったと思う。

最後に、お金を掛ける場面の厳選だ。結婚式は何も考えずにプランを組んでいくと500万円は軽く超えてしまう。かといってどこにもお金をかけないと質素な結婚式になってしまう。要はメリハリをつけることが大事だと思う。我々が特にお金を掛けたのは料理で、その中でも特にメインディッシュのお肉料理にかなり奮発した。実はお肉料理1品だけで7000円する。だからこそ最初の新郎挨拶でメインディッシュがめちゃくちゃ美味いと宣言してハードルを上げることが出来たし、ゲストも皆メインディッシュが出てくるのが楽しみになった(と信じたい)。

 


噂の7000円するメインディッシュ

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結婚式当日に驚いたことが、妻が緊張しなかったこと以外に3つある。

1つ目は披露宴会場の新郎新婦席にアルコールを捨てるバケツがあった事だ。アルコールを強要された時にこっそり捨てる用のバケツがあるという話だけは聞いたことあったが、他人の結婚式にも行ったことがなかった私は都市伝説のようなものだと思い込んでいた。

 


2つ目は新郎が普通料理を全部食べられない理由だ。新婦はお色直しで中座するタイミングが新郎よりずっと早いから食べられないのは分かるのだが、世の新郎はどれだけ食べるのが遅いのかと思っていた。結果的に私は全ての料理を食べ、更に食い意地が張っているので妻の残した料理も全部食べた。

結婚式が無事全て終わった後に介添え役の人と話していたところ、「最後の挨拶の原稿を復習しなかった分食べる時間を多く取れた」と分析された。新郎は披露宴の最初と最後に挨拶があるのだが、特に締めの挨拶は結構長く話す場合が多い為、新郎は披露宴中ひたすらカンペを読み返す人が多いらしい。私はというと、読み返すどころかカンペも作らず両方の挨拶をした。暗記に自信があったからではなく、その場に立った時に話す内容を決めようと思っていたからだ。カンペを作った場合は朝イチに介添え役に渡しておくのだが、ありませんと言ったらめちゃめちゃ驚かれた。

お陰(?)で本来カンペを読み返す時間も食べる時間に当てることが出来、挨拶も式の感想を交えつつ、それなりなものを披露出来た。

介添え役には、「カンペを読まなかった新郎は過去にもいたが、用意すらしなかった新郎は前代未聞だ」とちょっと呆れも含めた言い方をされた。

ちなみに新郎の締めの挨拶の前に新郎父の挨拶があるのだが、父もカンペを作らず挨拶をしていて親子だなとちょっとほっこりした。

 


3つ目が1番驚いたことなのだが、結婚式での誓いのキスはやり直しさせられることがあるらしい。

「1番の撮影ポイントなので、絶対に3秒チューして私とゲストの皆さんに撮影タイムを作って下さい!123!じゃなくて、1...2...3...ですからね!!3秒しないと神父さんからやり直しさせられますからね!これはマジです!」とカメラマンのおばさんに言われた。元々我々は1秒くらいと話し合っていたが、本当にやり直しになったらもっと恥ずかしいので、恥ずかしいのを堪えて3秒やり切った。参列していたゲストでこのブログを読んでいる人がいたら、「長いなと思ってごめんなさい」と謝ってほしい。

 


指輪交換の時に妻のネイルが取れてしまったこと以外はハプニング無く終えることが出来、終わった後はこれ以上ない程の達成感と疲労感と幸福感に襲われた。この感情を夫婦2人で共有したということが、今後の結婚生活において非常に大きなものになることは容易に想像がつく。「結婚式を行った夫婦の離婚率は1/8になる」という統計にも納得がいった。

これが結婚式費用の数百万の対価だと言うのなら、案外ぼったくりではなかったと思う。

 


結婚式をするまでは式に対して否定的だった私だが、今なら否定的だった過去の自分を論破する事が出来ると思う。元より好きな言葉だが、やはり”百聞は一見にしかず”これに勝るものはなかった。